楽天の顧客データ分析のやり方|CSVから離脱把握までの5ステップ

顧客分析 楽天市場

楽天の顧客データ分析、何から始める?CSVダウンロードから離脱把握までの完全手順

結論からお伝えします。楽天店舗の顧客データ分析は、次の5ステップで完結します。

  1. RMSから注文CSVをダウンロードする
  2. データを掃除する(キャンセル除外)
  3. 同一顧客を名寄せする(ここが最難関)
  4. 顧客台帳に組み替える(注文一覧→顧客一覧)
  5. 3つの分析を優先順に回す(F2転換率→日数分布→入口商品別)

特別なツールは不要で、理屈の上ではExcelだけでできます。この記事では各ステップを、実際のExcel操作と「必ずハマる落とし穴」まで含めて解説します。楽天市場で【◯◯】店舗の運営を10年支援し、この作業を数え切れないほどやってきた筆者による、保存して手を動かすための記事です。

始める前に:分析の目的を1つに絞る

手を動かす前に、30秒だけ。顧客データ分析が挫折する最大の原因は、スキル不足ではなく**「何のために見るか」を決めずに始めること**です。データを開いてから「さて何を見よう」では、確実に迷子になります。

楽天店舗の顧客分析の目的は、突き詰めればこれです。

「一度買ってくれたお客様が、どこで・なぜ消えているか」を特定し、施策の照準を合わせる

売上分析(何が売れたか)はRMSで見られます。顧客分析でしか分からないのは「誰が戻ってこなかったか」——この一点に絞って進めます。逆に、最初からRFM分析だ、デシル分析だと手を広げないでください。フレームワークの名前は立派ですが、打ち手に直結するのは後述の3つで十分です。

STEP1:注文CSVをダウンロードする

RMSの注文管理(楽天ペイ受注管理)から、注文データをCSVでダウンロードします。

  • **期間:最低12ヶ月、できれば全期間。**リピートは時間をかけて発生するので、期間が短いと「まだ2回目を買っていないだけ」のお客様が離脱に見えます
  • 項目:注文日・注文番号・注文者氏名・電話番号・商品名(または商品管理番号)・購入金額・注文ステータスが最低セット。迷ったら全項目で出してください
  • 一度にダウンロードできる期間・件数には制限があるため、長期間のデータは月単位などで分割ダウンロードして後で結合します

STEP2:データを掃除する

結合したデータから、まずキャンセル注文(ステータス900)を除外します。ここを飛ばすと、顧客数にも売上にも水増しが入り、以降のすべての数字が濁ります。フィルタでステータス列を絞り、該当行を削除するだけです。

【落とし穴①:CSVをダブルクリックで開かない】 楽天のCSVをそのままExcelでダブルクリックすると、2つの事故が起きます。1つは文字化け(文字コードの問題)、もう1つが致命的で、電話番号の先頭のゼロが消えます(「09012345678」が「9012345678」になる)。電話番号は次のステップの名寄せキーなので、ここが壊れると分析全体が壊れます。回避策:Excelの「データ」タブ→「テキストまたはCSVから」でインポートし、電話番号列を文字列として読み込んでください。この一手間が、この記事でいちばん大事な操作かもしれません。

STEP3:同一顧客を名寄せする(最難関)

顧客分析の本体はここです。「同じお客様の注文を、同じ人として束ねる」——これができて初めて、注文の一覧が顧客の物語になります。

**名寄せキーは「電話番号+注文者氏名」**を使います。メールアドレスは楽天の仕組み上、注文ごとに変わることがあるため、キーには向きません。

Excelでの実務手順:

  1. 電話番号を正規化する:ハイフンや空白の表記ゆれを消します。作業列に =SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(A2,”-“,””),” “,””) のような式で統一
  2. 氏名を正規化する:前後の空白を =TRIM() で除去。姓と名の間の空白も統一しておくと精度が上がります
  3. 結合キーを作る:作業列に「正規化した電話番号 & 正規化した氏名」を連結。これが顧客IDの代わりになります

【落とし穴②:名寄せの精度は「毎回同じルール」でしか担保できない】 携帯番号の変更、家族名義での注文など、名寄せは100%にはなりません。それは構いません。重要なのは、今月と来月で同じルールで処理することです。ルールが月ごとに揺れると、数字の変化が「施策の効果」なのか「集計のブレ」なのか、永遠に判別できなくなります。使った式と手順は必ずメモに残してください。

STEP4:顧客台帳に組み替える

名寄せキーができたら、ピボットテーブルで「注文の一覧」を「顧客の一覧」に変換します。

  • 行:結合キー(顧客)
  • 値:注文番号の個数(=購入回数)、購入金額の合計(=累計購入額)、注文日の最小値(=初回購入日)、注文日の最大値(=最終購入日)

これで1行=1顧客の台帳が完成です。この台帳が、顧客分析のすべての土台になります。ここまでで、初めての方なら半日〜1日でしょう。

STEP5:3つの分析を優先順に回す

台帳ができたら分析です。やるのは3つ、この順番で。

分析1:F2転換率(漏れの大きさ) 購入回数「2以上」の顧客数 ÷ 初回購入者数。ただし直近に初めて買ったお客様は「まだ2回目の時間が来ていない」だけなので、初回購入から90日以上経過した顧客だけを分母にしてください(詳しい考え方と目安→記事⑤)。

分析2:2回目までの日数分布(漏れのタイミング) 2回以上購入した顧客について、「2回目の注文日−初回注文日」を計算し、日数のヒストグラムを作ります。山の位置が、フォローメール・クーポンを打つべき正しい日です。ある店ではこの山が14日目なのに、メールを30日目に打っていました——分析結果がそのまま施策の修正になった典型例です。

分析3:初回購入商品別のF2転換率(漏れの場所) 顧客ごとの初回注文の商品を特定し、商品別にF2転換率を割ります。店全体では見えなかった「特定の入口だけ極端に漏れている」構造がここで見つかります。広告予算の寄せ替え判断に直結する、いちばん打ち手に近い分析です(施策との対応表→記事④/広告成績との逆転現象→記事⑨)。

この3つで、「どこで・いつ・どの入口から漏れているか」が揃います。RFMやデシルは、この3つで打ち手が回り始めてからで遅くありません。

正直な話:1回やるのと、毎月続けるのは別の競技です

ここまでの手順は、1回やり切れば必ず発見があります。やる価値は保証します。

ただ、正直に書きます。この分析は一度きりでは意味が半減します。フォローメールの配信日を変えた、入口の広告を寄せ替えた——その答え合わせは、翌月・翌々月のF2転換率でしか確認できません。つまり毎月、分割ダウンロードから名寄せまでを、同じルールで繰り返す必要があります。1店舗あたり毎月丸1日。筆者はこれを月次でやろうとして、【3ヶ月】で挫折しました。この記事をブックマークした方の9割は1回で止まる——嫌味ではなく、それくらい継続の壁は高いという実感です。

顧客分析の価値は1回の発見ではなく、毎月の答え合わせの習慣にあります。手動で挫折した筆者がツールを自作した理由も、結局そこでした。

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この記事のSTEP1〜5(名寄せ・F2転換率・日数分布・入口商品別まで)が、CSVを入れるだけで自動で出る無料枠もあります。データはブラウザの外に一切送信されないので、先頭ゼロ問題も名寄せルールのブレも、そもそも起きません。

よくある質問

Q. Excelが苦手です。スプレッドシートでもできますか? できます。手順は同じで、GoogleスプレッドシートでもCSVインポート時に電話番号列を文字列指定すれば先頭ゼロ問題は回避できます。ただしデータ量が多い(数万行超)と動作が重くなるため、その規模ならExcelか専用ツールをおすすめします。

Q. 顧客データの分析に、楽天の会員ID(お客様の識別番号)は使えないのですか? 店舗がダウンロードできる注文データには、顧客を一意に特定できる会員IDに相当する項目が含まれていません。そのため電話番号+氏名での名寄せが実務上の最善手になります。この制約が、楽天の顧客分析が「ひと手間かかる」根本理由です。

Q. 分析結果はどのくらいの頻度で見直すべきですか? 月1回が基本です。それより高頻度で見ても、リピートは日単位では動かないため意味のある変化が読めません。逆に四半期に1回では、施策の答え合わせが遅すぎます。「毎月第1週に先月分を集計する」のように、曜日と担当を固定するのが続けるコツです。

1回目は、この記事どおりにやってみてください

本気でそう思っています。STEP1〜5を自分の手で通すと、自店のデータがどういう顔をしているかが分かります。この感覚は、ツールから入った人には身につきません。名寄せで手こずった経験があるからこそ、出てきた数字を疑えるようになります。

問題は2回目以降です。先ほど「9割は1回で止まる」と書きましたが、これは能力の話ではありません。分割ダウンロード、文字列指定でのインポート、正規化、キー結合、ピボット、90日での絞り込み——毎月これを同じルールで再現するのは、単純に割に合わないというだけです。

ミエルLTVは、この記事のSTEP1〜5をそのまま自動化したものです。注文CSVを読み込ませれば、名寄せもF2転換率も日数分布も入口商品別も出ます。先頭ゼロの消失も、名寄せルールのブレも、構造上起きません。手動で挫折した人間が、続けるために作ったツールなので、この記事の手順と同じことしかしていません。

CSVはブラウザの外に一切送信されません。お客様の氏名・住所・電話番号を、どこかのサーバーに預ける必要はない設計です。

【CTA:▶ 2回目以降を自動でやる】

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