F2転換率とは|楽天店舗の目安と、2回目購入が生まれない店の共通点
結論からお伝えします。F2転換率とは、初回購入者(F1)のうち、2回目の購入(F2)に至った人の割合です。計算式は「2回目を購入した人数 ÷ 初回購入者数」。楽天店舗の目安は、リピート性のある商材(食品・サプリ・化粧品等)で【25〜35%】、全体では【15〜30%】程度がひとつの水準です。
そして、この数字がなぜ重要なのか。理由は一つで、リピートの勝負は、ほぼF2だけで決まっているからです。3回目以降ではありません。2回目です。この記事では、その構造(継続率の階段)、2回目が生まれない店の共通点、自店の数字の出し方までを、楽天市場で【◯◯】店舗の運営を10年支援してきた筆者の実測データをもとに解説します。
用語の整理:F1・F2・F3とは
Fは Frequency(購入回数)の頭文字です。
- F1:1回だけ購入した人(初回客)
- F2:2回購入した人
- F3以降:3回以上のリピーター
「F2転換率」は F1→F2 の関門を越えた割合、つまり初めてのお客様が「もう一度」を選んでくれた割合です。似た言葉のリピート率(全購入者のうち再購入した人の割合)より範囲が狭く、鋭い指標です。リピート率が店の「結果の合計」だとすれば、F2転換率はその結果が生まれる現場を指しています。
なぜF2がすべてなのか:継続率の階段
多くの店舗の注文データを分解すると、必ず同じ形が現れます。購入回数ごとの継続率が、階段状に上がっていくという形です。実測のイメージはこうです。
| 関門 | 継続率(次の購入に進む割合) |
| F1 → F2 | 【25】% |
| F2 → F3 | 【45】% |
| F3 → F4 | 【55】% |
| F4 → F5 | 【65】% |
見てのとおり、一番低くて、一番落差が大きい関門が F1→F2 です。ここさえ越えたお客様は、その後は放っておいてもかなりの確率で買い続けてくれます。逆に言えば、F3以降のお客様向けにどれだけ施策を打っても、母数を作っているのはF2の関門です。
だから筆者はこれを**「F2の壁」と呼んでいます。リピート対策という言葉は範囲が広すぎます。データが示しているのは、リピート対策とは実質的に「2回目対策」**である、ということです。
もう一つ、この構造には経営上の意味があります。F1で止まったお客様は、獲得にかけた広告費を回収する機会を失います。仮に1人1,500円の獲得コストで月200人がF1のまま消えていれば、月30万円。F2転換率は、リピートの指標であると同時に、広告費の回収率の指標でもあるのです。
楽天店舗のF2転換率:目安の見方
冒頭の目安(リピート性商材で【25〜35%】)には、2つ注意があります。
1つ目、カテゴリで大きく変わります。消費サイクルの短い食品・サプリは高く出やすく、耐久財・ギフトは構造的に低くなります。カテゴリ別のリピート率の目安は別記事にまとめています(→記事①)。
2つ目、平均との比較はスタート地点にしかなりません。平均より上でも、特定の入口商品からのお客様だけがごっそり消えているケースを、筆者は何度も見てきました(店全体の数字は「合格」なのに、月40万円が漏れていた店もあります)。見るべきは平均との差ではなく、自店の内訳——どの商品から、いつ、どれだけ漏れているか、です。
2回目が生まれない店の3つの共通点
F2転換率が低い店舗のデータを分解すると、原因はほぼこの3つに集約されます。
共通点1:フォローのタイミングが「決着後」に届いている 2回目購入には「山」があります。商材の消費サイクルに沿って、初回から【◯】日目前後に集中する。ところが多くの店のフォローメールは、この山を過ぎてから届いています。ある店では山が14日目なのに配信は30日目——お客様が戻るかどうかを決めた後に届くラブレターです。この店は配信日を変えただけで数字が動きました。文面ではなく、日付の問題だったのです。
共通点2:入口商品が「残らない客」を集めている F2転換率は入口の商品によってまったく違います。店全体で25%でも、商品別に割ると45%と8%が混在している。そして皮肉なことに、広告成績(ROAS)の良い商品ほど、残らない客を集めていることがある。1回目の成績表と、その後の定着は別物です(この逆転現象は別記事で詳しく→記事⑨)。
共通点3:「2回目を買う理由」を設計していない 初回はイベントとクーポンで買ってもらえます。しかし2回目には、初回ほどの割引も祭りもない。定価との落差、送料、単価の高さ——2回目のハードルは初回より高いのに、そこに橋を架けていない店が大半です。効くのは、同梱物での「次に買うべき商品」の提案(勝ちパターンの2番目の商品)、山に合わせた期限つき2回目クーポン、小容量の2回目専用オファーなど。具体的な施策と離脱原因の対応表は施策編にまとめています(→記事④)。
F2転換率の計算方法
計算式そのものは簡単です。
F2転換率 = 2回目を購入した人数 ÷ 初回購入者数
難しいのは式ではなく、データの準備です。そしてここで例の問題にぶつかります——F2転換率は、RMSのどの画面にも表示されません(理由は別記事で→記事③)。注文CSVから自分で集計する必要があります。
**手順1:**RMSの注文管理から注文CSVをダウンロード(最低12ヶ月分、できれば全期間) **手順2:**キャンセル注文(ステータス900)を除外 **手順3:**電話番号+注文者氏名で同一顧客を名寄せ(メールアドレスは注文ごとに変わることがあるため不向き) **手順4:**顧客ごとに購入回数を数え、「2回以上の人数 ÷ 全顧客数」ではなく「2回以上の人数 ÷ 集計対象期間に初回購入した人数」で算出
集計時の最重要注意:直近の初回客を分母に入れすぎないことです。先月初めて買ったお客様は、まだ2回目を買う時間がなかっただけかもしれません。全期間を雑に割ると、F2転換率は実態より低く出ます。正確に見るなら、初回購入から一定期間(例:90日)を経過したお客様だけを分母にするか、獲得月ごとに束ねて比較(コホート分析)してください。
Excelでやると、名寄せとコホートで1店舗丸1日。毎月の定点観測となると、筆者自身【3ヶ月】で挫折した作業です。
F2転換率を上げる、最初の一手
数字が出たら、打ち手です。共通点1〜3のどれが自店の主因かで順番は変わりますが、迷ったら**「2回目購入の日数分布を出して、フォローメールの配信日を山の【3〜5】日前に動かす」**からです。理由は、文面もクーポンも変えずに済み、コストがゼロで、翌月のF2転換率で効果の答え合わせができるから。施策と検証の練習として、これほど安い一手はありません。
まず、自店のF2の壁を確かめる
あなたの店のF2転換率は、何%でしょうか。即答できなかった方は、8問の◯×に答えるだけの無料診断をどうぞ。「見えていない数字」がいくつあるか、業態と月商規模から推定される毎月の損失額を試算します。登録不要・30秒です。
実数で確かめたい方には、注文CSVを入れるだけでF2転換率・日数分布・入口商品別の内訳まで自動で出る無料枠もあります。データはブラウザの外に一切送信されません。
よくある質問
Q. F2転換率はどのくらいの期間で測るべきですか? 初回購入から90日(商材の消費サイクルが長い場合は180日)を区切りにするのが実務的です。「90日F2転換率」のように期間を固定すると、月ごと・施策前後の比較がブレなくなります。
Q. F2転換率とリピート率、どちらを追うべきですか? 施策の指標としてはF2転換率です。リピート率は店の結果の合計なので動きが鈍く、施策との因果が見えにくい。F2転換率は「初回客への施策」と1対1で対応するため、答え合わせに向いています。報告用にリピート率、運用用にF2転換率、という使い分けが現実的です。
Q. F2転換率が高ければ安心ですか? 高いに越したことはありませんが、2つ確認してください。①入口商品別の内訳(全体が高くても特定入口が漏れていることがあります)、②F2の「中身」(値引きクーポンで無理に作ったF2は、F3に進まないことがあります。クーポンの投資/出血の見分け方は記事⑪へ)。
あなたの店の階段は、どんな形をしていますか
この記事で示した継続率の階段(F1→F2が25%、F2→F3が45%…)は、あくまで多くの店舗に共通して現れる形です。あなたの店の階段が、同じ形をしているとは限りません。
1段目が15%しかない店もあれば、1段目は越えられているのに2段目で崩れている店もあります。前者と後者では、打つべき手がまったく違います。自店の階段の形を見ないまま施策を選ぶのは、どの段でつまずいているか分からないまま階段の直し方を考えるようなものです。
ミエルLTVは、RMSの注文CSVを読み込ませるだけで、この階段を自店のデータで描きます。記事内で注意点として挙げた分母の処理(初回購入から90日を経過した顧客だけを対象にする、獲得月ごとに束ねる)も自動なので、実態より低く出る心配がありません。
CSVはブラウザの外に一切送信されません。お客様の氏名・住所・電話番号を、どこかのサーバーに預ける必要はない設計です。

