
LTV向上施策を実行しても、その効果を正しく測定できなければ、戦略の良し悪しを判断することはできません。2026年現在、ECサイトの分析基盤として不可欠なGA4(Googleアナリティクス4)では、LTVを多角的に分析するための機能が大幅に強化されています。
本記事では、100本プロジェクトの第3弾として、GA4を用いたLTV計測の具体的な手順と、2026年現在の最新活用術を徹底解説します。
1. GA4でLTVを確認する2つの基本ルート
GA4でLTVを確認するには、主に「標準レポート」と「探索レポート」の2つの方法があります。
① 標準レポートで「ユーザーの合計収益」を確認
最も手軽な方法は、集客レポートにLTV指標を追加することです。
•手順: 「レポート」>「集客」>「ユーザー獲得」を開き、画面右上の鉛筆アイコン(レポートをカスタマイズ)をクリック。
•指標の追加: 「指標」に「ユーザーの合計収益」を追加して保存します。
•活用法: どのチャネル(Google広告、SNS、自然検索など)から獲得したユーザーが、長期間にわたって高い収益をもたらしているかを一目で比較できます。
② 探索レポートの「ユーザーのライフタイム」テンプレート
より詳細な分析には、探索レポートを使用します。
•手順: 「探索」>「ユーザーのライフタイム」テンプレートを選択。
•分析のポイント: 初回訪問から現在までの累積収益を、月別や週別のコホート(グループ)ごとに可視化できます。
2. コホート分析で「リピートの質」を可視化する
LTV向上の鍵は、「いつ獲得したユーザーが、その後も継続してくれているか」を把握することです。
コホート分析の設定例
•登録基準: 初回接触日(または初回購入日)
•リピート基準: 任意のイベント(購入、再訪問など)
•粒度: 月単位
分析の読み解き方
例えば、「2025年12月のセールで獲得したユーザー」と「2026年1月の通常期に獲得したユーザー」を比較します。セール獲得組のLTVが極端に低い場合、その広告施策は「短期的な売上には貢献したが、LTVの観点では非効率だった」という判断が下せます。
3. 2026年の最新活用:AI予測指標の導入
2026年現在のGA4では、機械学習を用いた「予測指標」の精度が飛躍的に向上しています。
① 予測収益(Predicted Revenue)
過去28日間の行動データに基づき、今後28日間に特定のユーザーがもたらすであろう収益を予測します。
•活用施策: 予測収益が高いユーザー層(VIP候補)に対してのみ、先行予約の案内をLINEで送る。
② 離脱確率(Churn Probability)
過去7日間に活動したユーザーが、今後7日間に活動しなくなる確率を予測します。
•活用施策: 離脱確率が「中〜高」に上昇したユーザーに対し、自動でカムバッククーポンを配信し、離脱を未然に防ぎます。
4. 【上級編】ファーストパーティデータの統合
Cookie規制が完全実施された2026年において、GA4単体のデータでは不十分な場合があります。
Measurement Protocolの活用
ECサイトの基幹システム(POSデータやCRMデータ)に記録された「オフラインの購入データ」や「返品データ」をGA4に送信します。これにより、オンラインとオフラインを統合した「真のLTV」をGA4上で可視化することが可能になります。
まとめ:分析を「次の施策」のトリガーに
GA4でLTVを計測する目的は、数字を眺めることではなく、「どの施策を強化し、どの施策をやめるか」を決めることにあります。
| 分析手法 | わかること | 次のアクション |
| チャネル別LTV分析 | 収益性の高い流入経路 | 広告予算の最適配分 |
| コホート分析 | 獲得時期別の継続率 | キャンペーン内容の改善 |
| 予測指標分析 | 将来の優良顧客・離脱予兆 | パーソナライズ施策の実行 |

